Projectstory

従来機の2倍の生産能力を実現。 3人のプロフェッショナルの挑戦

Project Overview

3人が取り組んだのは医療器具部品の組立装置。具体的にいうと、注射器などの先端に取り付けて液剤が漏れるのを防いだり、接続部を保護したりする目的で使用するキャップを構成する部品を組み立てる装置である。長年取引のある医療品メーカーからの依頼であり、増産体制の構築のため、従来機の2倍の生産能力が求められていた。

Member Profile

H.T

技術部 機械設計/係長

1997年入社

K.A

技術部 制御設計/リーダー

2007年入社

H.Y

工機部

2014年入社

Episode:01

H.T

技術部 機械設計 係長

1997年入社

お客様の課題解決に向けて、私たちはまず、従来機における問題点や課題をヒアリングすることから始めました。ご要望である「従来機の2倍の生産能力」を実現するため、技術・コスト・納期といった多角的な観点から構想を練り上げていきました。
ヒアリングを通して、従来機の最も大きな課題が、製品の貼り付きによる搬送トラブルだと判明。これは、搬送面の非粘着処理が剥がれてしまうことが原因でした。当初はより耐久性の高い処理を検討していましたが、社内レビューで「エアー浮上式で搬送したらどうか」というアイデアが生まれました。
早速試作品でテストを行ったところ、製品が搬送面に触れないことが確認できます。これにより、貼り付きトラブルの根本的な解決策になる手応えを得て、この方式を新設計に採用。新しい搬送機構のアイデアを3DCADに落とし込み、全体の設計を完成させました。
次に、プログラムの動作を時間軸に沿って表現したタイミングチャートを作成し、制御設計担当と共有。これをソフトウェア設計に反映させます。
そして迎えた機械の試運転。組立、配線が完了し、いざ稼働させる瞬間は、新方式が本当に機能するのか不安もありました。しかし、結果は期待通りのものでした。製品はスムーズに浮上し、安定して搬送され、実機でも貼り付きトラブルが発生しないことを確認できたのです。
頭の中に描いたイメージが形になり、目の前で実際に動作する姿を見たときの喜びは、私たちにとって何物にも代えがたいものです。

Episode:02

K.A

技術部 制御設計 リーダー

2007年入社

タイミングチャートの共有を受け、ソフトとタッチパネルの設計を同時に進めていきました。チャートを確認して各々のユニットの動きを理解しながらソフトウェアに落とし込んでいくのですが、チャートにはあくまで標準の動きしか書かれていないので、装置が誤作動を起こした際の復旧方法など、イレギュラー時の対応については機械設計のH.Tさんに相談して方向性を決めていきました。高い水準の生産スピードを実現するためのプログラム変更に加えて、樹脂のキャップにゴム栓を圧入する動作の調整にも苦労しましたね。100個に1個、500個に1個といった決して少なくはない確率で、ゴム栓が入りきらないことがあったんです。工機のH.Yさんと共に原因の特定を進めたところ、ゴム栓を押し込む回数を増やせば問題を解決できると判明。動作の応答性を上げるために電磁弁の制御をフィールドネットワークからI/Oに変更し、仕様のサイクルタイム内で押し込む回数を3回から6回へと増やすことができました。この装置において特にこだわったのは、使う人にとってわかりやすい・操作しやすいインターフェース設計を行うことです。納入後、「使いやすいのと、見た目もスッキリしていて良い」とお客様に評価していただき、3人でものづくりの喜びを分かち合いました。

Episode:03

H.Y

工機部

2014年入社

私たちがプロジェクトに参加するのはCAD図面が完成し、部品メーカーから必要な部品が届いてから。まずは、ネジを用いて図面通りに部品を組み上げ、装置を形にしていきます。その後に制御設計のK.Aさんが配線の設計を行い、配線工事が済んでから試運転に入りました。装置の完成度を上げるためには、部品と部品の位置を設計図通りに合わせる芯出しという作業も欠かせません。0.1mmや0.01mm以内のシビアな精度が求められ、芯出しが甘いと、組立の際、製品に傷がついたり、想定外の不具合が起きたりします。今回のプロジェクトで一番苦労したのは、樹脂キャップにゴム栓が入りきらないという不具合です。実際の動作を確認した上で対策を考える必要があり、乳白色で中が見えないキャップを削ったり、磨いて半透明にしたりして、圧入する瞬間の動きを目視できるようにしました。その結果、ゴム栓を押し込む回数を増やせば解決できるとわかり、最終的に、500個に1個だった不具合発生率を5000個に1個まで減らすことができました。装置の納入後も立ち上げのために3人でお客様の工場に1ヶ月ほど通い、最終日にお客様に誘っていただいて打ち上げをしたことは良い思い出です。今後も、お客様のもとで装置がスムーズに動き続けるよう、3人でサポートを続けていきます。

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